「失業給付っていくらもらえるんだろう…」退職を決めた後、こんなふうにモヤモヤした気持ちを抱えていませんか?特に基本手当の日額に上限や下限があると聞いて、「自分の場合はどうなるの?」と気になっている方も多いと思います。今回は、そんな疑問をスッキリ解消できるよう、基本手当日額のしくみを年齢別にわかりやすくお伝えします。
そもそも「基本手当日額」って何?
まず基本的なところから確認しておきましょう。雇用保険の基本手当とは、失業中に生活を安定させるためにハローワークから支給される給付金のことです(雇用保険法第15条)。そして、その1日あたりの金額のことを「基本手当日額」と呼びます。
基本手当日額は、退職前の給与をもとに計算されます。具体的には、退職前6か月間の給与総額(賞与を除く)を180で割った「賃金日額」という数字を出し、そこに一定の給付率(45〜80%)を掛けて算出します。給付率は賃金日額が低いほど高くなる設計になっており、低所得の方ほど手厚い保障が受けられるようになっています。ここがポイントなのですが、この給付率には上限・下限の「キャップ」がかかるため、賃金日額がどれだけ高くても、または低くても、支給される日額には一定の枠があります。
基本手当日額の算出方法は雇用保険法第16条・第17条に定められています。上限・下限は厚生労働大臣が毎年8月1日に改定する「最低賃金の動向」に連動しており、年度ごとに変わる場合があります。最新の金額は必ずハローワークまたは厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
年齢別の上限額・下限額(2024年8月1日改定版)
基本手当日額には、年齢によって異なる上限額が設けられています。これは「年齢が上がるほど生活費もかかる」という事情を踏まえた設計です。一方、下限額はすべての年齢で共通です。以下の表で確認してみてください。
| 年齢区分 | 上限額(日額) | 下限額(日額) |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 6,945円 | 2,125円 |
| 30〜44歳 | 7,715円 | 2,125円 |
| 45〜59歳 | 8,490円 | 2,125円 |
| 60〜64歳 | 7,294円 | 2,125円 |
上記の金額は2024年8月1日改定のものです。基本手当日額の上限・下限は最低賃金の改定に合わせて毎年見直されます。退職・受給の時期によって金額が変わる場合があるため、必ず受給時点でのハローワーク公式情報をご確認ください。
60〜64歳の上限が45〜59歳より低くなっているのは不思議に感じるかもしれませんね。これは、60歳以降は高年齢雇用継続給付などの別の制度との調整を考慮した設計になっているためです。
あなたの基本手当日額はいくら?計算のしくみ
では、実際の計算イメージを掴んでもらうために、具体的なエピソードを見てみましょう。
エピソード例①:30代・会社員のBさんの場合
たとえば、38歳で退職したBさんが退職前6か月に受け取った給与の総額が180万円だったとします。賃金日額は「180万円 ÷ 180日 = 1万円」。この場合、賃金日額に対応する給付率(賃金日額が高いほど率は低く設定)が約50%だとすると、基本手当日額は「1万円 × 50% = 5,000円」となります。30〜44歳の上限は7,715円ですので、上限には引っかからず、5,000円がそのまま支給されます。
エピソード例②:50代・高収入だったCさんの場合
一方、55歳で退職したCさんが月収100万円(6か月計600万円)だったとしましょう。賃金日額は「600万円 ÷ 180日 ≒ 33,333円」。これに給付率を掛けても、45〜59歳の上限である8,490円でカットされます。どれだけ給与が高くても、日額8,490円が最大値になるわけです。これが「上限」のはたらきですね。
あなたはどのケース?日額の目安チェック
日額が決まったら、受給総額はどう計算する?
基本手当日額が分かれば、受給総額のおおよその見当もつきます。受給総額は「基本手当日額 × 所定給付日数」で求められます。所定給付日数とは、何日分の給付を受けられるかを示すもので、雇用保険の加入期間・離職理由・年齢によって決まります(雇用保険法第22条)。
ただし、給付率の細かい計算は複雑で、手計算で完全に正確な金額を出すのは難しいのが正直なところです。「だいたいこれくらいかな」という目安として活用しつつ、正確な金額はハローワークの窓口で教えてもらうのが確実です。一人で悩まずに相談してみてください。
受給中に知っておきたい注意点
アルバイト・内職をすると日額が減額される場合があります
受給期間中にアルバイトや内職をした場合、その収入額によっては基本手当日額が減額・不支給になることがあります(雇用保険法第19条)。これを「不正受給」と誤解される方もいますが、正しく申告すれば問題ありません。ただし、申告しないまま働くと不正受給となり、給付額の3倍返しを求められることもあるため、必ず正直に申告しましょう。
雇用保険法第34条により、不正受給が発覚した場合は不正受給額の返還+その2倍の納付(合計3倍)が命じられる場合があります。正直に申告することが、結果的に自分を守ることになります。
受給期間は原則1年間です
基本手当には「受給期間」という制限があり、離職日の翌日から原則1年以内に所定給付日数を消化しなければなりません(雇用保険法第20条)。1年を過ぎると、たとえ給付日数が残っていても受給できなくなってしまいます。「就職活動をゆっくりしよう」と思っていると、気づいたら期間を過ぎていた…というケースも少なくないので、注意が必要です。
病気・けが・妊娠・育児・介護などで働けない状態が続く場合は、申請することで受給期間を最大4年まで延長できます(雇用保険法第20条第1項ただし書き)。該当しそうな方は早めにハローワークに相談してみてください。
まとめ
基本手当日額は、退職後の生活を支える大切なお金です。ポイントをおさらいしておきましょう。
- 基本手当日額は退職前6か月の賃金をもとに計算される(雇用保険法第16・17条)
- 日額には年齢別の上限額(29歳以下:6,945円/30〜44歳:7,715円/45〜59歳:8,490円/60〜64歳:7,294円)と、全年齢共通の下限額(2,125円)がある(2024年8月1日改定時点)
- 上限・下限の金額は毎年8月1日に改定される可能性があるため、受給時点の最新情報をハローワークで確認すること
- 受給中のアルバイトは必ず申告が必要。不申告は不正受給になるリスクあり
- 受給期間は離職日の翌日から原則1年間。期間内に手続きを進めることが大切
「自分の場合は実際にいくらになるんだろう?」と気になる方は、ハローワークの窓口で相談してみるのが一番です。不安なことは一人で抱え込まず、ぜひ専門の窓口を頼ってみてください。
手続きで迷ったら、一人で悩まないでください
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