「育休中もお金はもらえるの?」
育児休業を取得したいけれど、休業中の収入が心配で踏み切れない方も多いです。実は雇用保険には「育児休業給付金」という制度があり、育休中も一定の給付を受け取ることができます。この記事では、育児休業給付金の仕組み・受給条件・給付額の計算方法をわかりやすく解説します。
育児休業給付金とは?
育児休業給付金とは、育児休業を取得した雇用保険の被保険者に対して支給される給付です(雇用保険法第61条の4)。育休中の収入減少を補い、安心して育児に専念できるようにするための制度です。
📌 育児休業給付金の基本情報
- 支給対象:雇用保険の被保険者で育児休業を取得した方
- 支給期間:原則として子が1歳になるまで(延長あり)
- 給付率:休業開始時賃金の67%(6ヶ月経過後は50%)
- 申請先:事業主を通じてハローワークに申請
育児休業給付金を受けるための条件
育児休業給付金を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります(雇用保険法第61条の4第1項)。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 雇用保険の被保険者であること | 一般被保険者または高年齢被保険者であること |
| 育児休業を取得していること | 育児・介護休業法に基づく育児休業であること |
| 被保険者期間の要件 | 育休開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12ヶ月以上あること |
| 休業中の就業日数が一定以下であること | 支給単位期間(1ヶ月)中の就業日数が10日以下または就業時間が80時間以下 |
⚠️ 有期契約労働者の方は追加条件あり
有期契約労働者の場合、子が1歳6ヶ月になるまでの間に労働契約が更新されない場合は対象外となるため注意が必要です。育休取得前に雇用契約の内容を確認しましょう。
育児休業給付金の給付額
育児休業給付金の給付額は、休業開始時の賃金をもとに計算されます。
給付率
| 育休開始からの期間 | 給付率 |
|---|---|
| 育休開始から6ヶ月間 | 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67% |
| 6ヶ月経過後 | 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50% |
📌 計算例
育休前の月給が30万円(賃金日額10,000円)の場合:
- 最初の6ヶ月:10,000円 × 30日 × 67% = 201,000円/月
- 6ヶ月経過後:10,000円 × 30日 × 50% = 150,000円/月
✅ 実質的な手取りはもっと高くなる場合も
育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されます。そのため、給付率67%でも実質的な手取りは休業前の約80%程度になる場合があります。
育児休業給付金が支給される期間
原則として、子が1歳になるまでの育休期間が支給対象です。ただし、保育所に入所できない場合などは延長できます。
| 状況 | 支給期間 |
|---|---|
| 原則 | 子が1歳になるまで |
| 保育所に入所できない場合など | 子が1歳6ヶ月になるまで延長可能 |
| 1歳6ヶ月時点でも保育所に入所できない場合など | 子が2歳になるまでさらに延長可能 |
📌 パパ・ママ育休プラスとは
父母ともに育休を取得する場合、「パパ・ママ育休プラス」制度により、子が1歳2ヶ月になるまで育休を取得できます(一方の親の育休取得期間は1年間が上限)。
出生時育児休業給付金(産後パパ育休)とは
2022年10月から「産後パパ育休」制度が創設され、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)の育休を2回に分けて取得できるようになりました。この期間の給付金が「出生時育児休業給付金」です。
✅ 出生時育児休業給付金のポイント
- 対象:子の出生後8週間以内に取得した育休
- 支給期間:最大28日間
- 給付率:休業開始時賃金日額の67%
- 対象者:男女問わず(主に男性の育休取得を想定)
申請手続きの流れ
📌 育児休業給付金の申請手順
| ステップ | 内容 | 手続き者 |
|---|---|---|
| ① 育休の申し出 | 会社に育休取得を申し出る(原則1ヶ月前までに) | 本人 |
| ② 受給資格確認 | 会社がハローワークに受給資格確認の手続きをする | 会社 |
| ③ 支給申請(初回) | 育休開始から4ヶ月が経過する月の末日までに初回申請 | 会社(本人の代わりに手続き) |
| ④ 以降2ヶ月ごとに申請 | 2ヶ月に1回、支給申請を繰り返す | 会社 |
| ⑤ 支給決定・振込 | ハローワークが審査のうえ支給決定・本人口座に振込 | ハローワーク |
✅ 申請は基本的に会社が行う
育児休業給付金の申請は、原則として会社(事業主)がハローワークに対して行います。本人が直接ハローワークへ申請する必要はありません。会社の人事・総務担当者に手続きを依頼しましょう。
職場復帰後も確認しておきたいこと
育休から職場に復帰した後も、以下の点を確認しておきましょう。
📌 復帰後の確認ポイント
- 育休終了の届出:育休終了後に会社がハローワークへ育休終了の届出を行う
- 社会保険料の再開:育休終了月から健康保険・厚生年金の保険料が再開される
- 時短勤務の場合の賃金日額特例:育休後に時短勤務になった場合、将来の失業給付計算に特例が適用される場合がある
まとめ
📌 重要ポイント
- 育児休業給付金は育休中の収入を補う雇用保険の給付
- 給付率は最初の6ヶ月が67%・以降は50%
- 育休中は社会保険料が免除されるため実質的な手取りは約80%程度
- 保育所に入れない場合は子が2歳になるまで延長可能
- 申請は会社(事業主)がハローワークへ行う
- 2022年10月から産後パパ育休(出生時育児休業給付金)も新設
| ✅ 育休取得前に確認してみましょう | |
|---|---|
| 雇用保険に加入しているか確認した | □ |
| 被保険者期間(2年間で12ヶ月以上)を確認した | □ |
| 会社の人事・総務担当者に給付金申請の手続きを依頼した | □ |
| 育休中の収入の目安を計算した | □ |
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