転職活動は在職中?退職後?失業保険と生活費から考えるベストなタイミング

退職手続き

「辞めたい気持ちは固まった。でも、転職活動は今の会社にいるうちに始めるべき?それとも辞めてからでいい?」

「在職中に転職活動をする余裕なんてない。でも、辞めてから仕事が決まらなかったら生活はどうなるの?」

こんなふうに迷って、退職の一歩が踏み出せずにいませんか?実はこれ、セルフ退職サポートの面談でもとても多い相談です。2026年10月に面談したお客さまのうち、記録が残っている8件中4件で「転職活動をどう進めるか」が話題になりました。それだけ多くの人が同じところで立ち止まっているということです。

厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、1年間に会社を辞めた人の割合(離職率)は15.4%、およそ7人に1人です。退職も転職も、決して特別なことではありません。迷うのは、あなたが自分の生活をきちんと考えている証拠です。

この記事では、在職中に転職活動をする場合と、退職してから始める場合のちがいを、失業保険(雇用保険の基本手当)のルールと生活費の面から図で整理します。「はじめての転職で、何を基準に決めればいいか分からない」という方も大丈夫です。

転職活動は在職中と退職後どっちがいい?まず結論から

先にお伝えすると、どちらが正解かは人によって違います。ポイントは次の3つです。

  • お金:収入が止まっても、しばらく生活できるか
  • 失業保険:辞めてから受け取れる条件を満たしているか
  • 心と体:今の仕事を続けながら転職活動をする余力があるか

この3つを並べて比べると、次のようになります。

在職中に転職活動を始める場合と退職してから始める場合のちがい:収入、時間、失業保険、心と体、向いている人の比較表
在職中と退職後のちがい(タップで拡大できます)

どちらにもメリットと注意点があります。ここからは、それぞれをくわしく見ていきましょう。

在職中に転職活動をする3つのメリットと注意点

1
収入が途切れない
いちばん大きなメリットです。給料が入り続けるので、「早く決めないと生活できない」という焦りから妥協して転職先を決めてしまうことを防げます。
2
職歴に空白ができにくい
退職日と入社日の間をあけずに次の仕事へ移れるので、面接で空白期間を説明する必要がありません。
3
退職のタイミングを自分で決めやすい
内定が出てから入社日を決め、そこから逆算して退職を伝えられます。民法第627条では、期間の定めのない雇用契約なら、退職の意思を伝えてから2週間で雇用契約が終わるとされています。会社に引き止められても、法律上は退職できます。

⚠️ 在職中の転職活動の注意点

①失業保険は原則もらえない
次の会社が決まってからすぐに移る場合は「失業の状態」ではないため、失業保険は原則として受け取れません。内定のタイミングと手当の関係は失業保険中の内定・入社日はいつならOK?でくわしく解説しています。

②時間と体力の負担が大きい
仕事のあとに応募書類を書き、休みを取って面接に行く生活は、思っている以上に疲れます。今の職場で心身が限界に近いなら、無理に両立しようとしないことも大切です。

在職中の転職活動を無理なく続けるコツ

「在職中に始めたいけど、続けられるか不安」という方は、次の4つを意識してみてください。

  • オンライン面接や夜・土日の面接を活用する:最近はオンラインで一次面接をする会社も多く、仕事を休まずに受けられることがあります。
  • 面接には有給休暇を使ってOK:年次有給休暇は労働基準法第39条で認められた労働者の権利です。転職活動のために使うことに、後ろめたさを感じる必要はありません。
  • 会社のパソコンやメールで転職活動をしない:応募のやり取りは個人のスマホやメールで行いましょう。
  • 退職を伝えるのは入社日の見通しが立ってから:内定が出て入社日が決まってから伝えれば、収入が途切れる期間を最小限にできます。伝え方は退職の切り出し方と例文を参考にしてください。

全部を完璧にこなす必要はありません。「週に1社だけ応募する」など、自分のペースで小さく始めるのが続けるコツです。

退職してから転職活動をする3つのメリットと注意点

1
転職活動に集中できる
平日の面接にも行きやすく、自己分析や資格の勉強にも時間を使えます。
2
心と体を休める時間がとれる
つらい職場からいったん離れることで、落ち着いて次の仕事を考えられるようになる人もいます。
3
条件を満たせば失業保険を受け取れる
雇用保険に入っていた期間などの条件を満たせば、自己都合で辞めた場合でも失業保険を受け取りながら仕事を探せます。早く決まれば、残りの日数に応じて再就職手当を受け取れる場合もあります。

⚠️ 退職後の転職活動の注意点

①最初の振込までに時間がかかる
離職票が届いてからハローワークで手続きをし、7日間の待機期間のあと、自己都合退職なら原則1か月の給付制限があります(2025年4月以降の離職。過去5年に3回以上自己都合で辞めている場合は3か月)。さらに認定日を経て振り込まれるので、退職から最初の振込まで2か月以上かかることもあります。その間の生活費は貯金でまかなう必要があります。

②求職活動の実績が必要
失業保険を受け取るには、認定日ごとに原則2回以上の求職活動実績が必要です(ハローワークインターネットサービスより)。「しばらく何もしないで休む」という使い方はできない点に注意しましょう。くわしくは失業の認定とは?認定日・求職活動実績の回数で解説しています。

退職後の転職活動で気をつけたいこと

  • 「いつまでに決めるか」の目安を作る:失業保険には受け取れる日数の上限があります。残りの日数と貯金を見ながら、自分なりの期限を決めておくと焦らずに済みます。
  • 生活リズムを崩さない:時間に余裕ができると、かえって気持ちが沈みやすくなることもあります。起きる時間だけでも決めておきましょう。
  • ハローワークの相談も活用する:ハローワークでの職業相談や職業紹介は、それ自体が求職活動の実績として認められます。一人で悩まず、使える窓口は使ってください。

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退職後の生活費はいくら必要?失業保険でまかなえる目安

「辞めてから探す」を選ぶなら、失業保険でどのくらい生活を支えられるかを知っておくと安心です。

項目目安(自己都合退職・65歳未満の場合)
1日あたりの金額退職前6か月の給料から計算した「賃金日額」のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)。給料が低い人ほど割合が高くなる
もらえる日数雇用保険の加入期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日
受け取り始めるまで待機7日間+給付制限(原則1か月)のあと、認定日を経て振込

つまり、失業保険はこれまでの給料の全額が出るわけではなく、受け取り始めるまでにも時間がかかります。退職後に転職活動をするなら、最初の振込までの2〜3か月分の生活費が貯金で用意できるかを、まず確認しておきましょう。金額や日数のくわしい仕組みは失業給付は何日分もらえる?所定給付日数と失業給付の給付制限とは?にまとめています。

あなたに合うのはどっち?2つの質問で診断

ここまでの話を、今のあなたに当てはめてみましょう。

転職活動のタイミング診断:心や体に影響が出ているならまず休む、そうでなければ最初の振込までの生活費を貯金でまかなえるなら退職後でもOK、まかなえないなら在職中に始めるのが安心
転職活動のタイミング診断(タップで拡大できます)

心や体に影響が出ているなら、まず休むことを優先して

眠れない、朝起きられない、職場のことを考えると体調を崩す。そんな状態なら、転職活動のタイミングを考えるより先に、まず休むことを考えてください。無理に在職中の転職活動を続けても、うまく進まないことが多いからです。

体調が理由で働けないときに使える制度

傷病手当金(在職中):健康保険法第99条にもとづき、病気やけがで仕事を連続3日休んだあと、4日目から1日あたり給料のおよそ3分の2が健康保険から支給されます。
失業保険の受給期間延長(退職後):病気などで30日以上働けない場合は、失業保険を受け取れる期間を延長する手続きができます(ハローワークの案内より)。

まずは医師に相談し、自分の体の状態を確認するところから始めましょう。

貯金に余裕があるなら、退職してからでも大丈夫

最初の振込までの生活費を貯金でまかなえるなら、退職してから落ち着いて転職活動をするのも十分に選択肢です。失業保険を受け取りながら、自分のペースで次の仕事を探せます。

生活費が心配なら、在職中に始めるのが安心

貯金に余裕がない場合は、在職中に少しずつ転職活動を始めるのがおすすめです。求人を眺める、転職サイトに登録する、職務経歴書を書いてみるなど、できることから始めれば負担も小さくて済みます。

どちらを選んでも、退職前にやっておきたい3つのこと

1
雇用保険に入っていた期間を確認する
失業保険を受け取れるかどうか、何日分もらえるかに関わります。給与明細で雇用保険料が引かれているかを確認しておきましょう。
2
退職後の生活費を計算する
家賃・食費などに加えて、退職後は国民健康保険や国民年金、住民税を自分で払うことになります。毎月いくら必要かを書き出しておくと、どちらを選ぶか決めやすくなります。
3
離職票が必要なことを会社に伝える
退職後に失業保険を受け取る可能性があるなら、「離職票が必要です」と退職前に伝えておきましょう。手続きの全体は退職を決めたら在職中にやることにまとめています。

よくある質問Q&A

Q. 在職中に内定が出たら、すぐ辞められる?

A. 民法第627条では、退職の意思を伝えてから2週間で雇用契約が終わるとされています。ただ、就業規則で「1か月前までに申し出る」などと決められていることも多いので、入社日は余裕を持って相談しましょう。

Q. 退職後、失業保険を受け取りながら転職活動をしてもいい?

A. はい。失業保険はもともと、仕事を探している人の生活を支えるための制度です。むしろ求職活動をしていることが受け取る条件になります。

Q. 空白期間があると転職で不利になる?

A. 空白期間の長さや理由をどう見るかは会社によって違います。資格の勉強や体調を整えていたなど、その期間に何をしていたかを説明できるようにしておくと安心です。

Q. 失業保険の振込日はいつ?

A. ハローワークインターネットサービスによると、失業の認定を受けた日から通常5営業日で振り込まれます。くわしくは基本手当はいつ振り込まれる?をご覧ください。

それでも一人では不安な方へ

ここまで読んで、「自分の場合はどっちがいいんだろう」「失業保険をいくらもらえるのか、自分の数字で知りたい」と感じている方もいるかもしれません。

辞めるか、いつ辞めるか、次の仕事をどうするか。一度にたくさんのことを決めなければならないので、迷って当然です。退職を言い出せずにいるのは、あなたが弱いからではありません。

セルフ退職サポートでは、退職のタイミングの考え方から、退職後の失業保険や生活費の見通し、転職の相談まで、あなたの状況に合わせてLINEで無料相談を受け付けています。「まだ辞めるか決めていない」段階でも大丈夫です。

まとめ|大事なのは「お金」「失業保険」「心と体」の3つ

  • 在職中の転職活動は、収入が途切れないのが最大のメリット。ただし次の会社が決まってから辞めると失業保険は原則もらえない
  • 退職後の転職活動は、集中できて休める一方、最初の振込まで2か月以上かかることもある
  • 失業保険の1日あたりの金額は賃金日額のおよそ50〜80%、自己都合なら90〜150日分が目安
  • 心や体に影響が出ているなら、まず休むことを優先。傷病手当金や受給期間延長の制度もある
  • 貯金で最初の振込までの生活費をまかなえるかが、選ぶときの分かれ目

どちらを選んでも、あなたが自分で考えて決めた道なら、それが正解です。一歩踏み出す勇気を応援しています。

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